11/26公開講座「障害者芸術支援による共生社会の実現に向けて」が終了しました

 令和4年11月26日土曜日午後2時から、岐阜県教育文化財団・岐阜県障がい者芸術文化支援センターTASCぎふとの共催で、岐阜大学講堂において教育学部公開講座「障害者芸術支援による共生社会の実現に向けて」が開催され、110名の参加者を得ました。終了予定時間を30分オーバーしましたが、ほとんどの方が講師、登壇者の話に最後まで興味深く熱心に耳を傾けていただきました。

 内容は3部構成で、第一部(講演)「すべては幸せを感じるために~やまなみ物語~」講師:山下完和氏(やまなみ工房施設長)、第二部(シンポジウム)「子どもの表現の理解から“つながる”ことをさぐる~上土橋勇樹くんの子育てから学んだこと~」登壇者:猪島邦子さん(元郡上市幼児療育施設職員)、田代文代さん(大中保育園保育士)、高橋行人さん(元岐阜県小学校教諭)、林哲司さん(郡上特別支援学校高等部主事)、上土橋真由美さん(保護者)、司会進行:神野幸雄(岐阜大学教育学部)、第三部(講座)「私的並行世界の創造―アーティストとしての上土橋勇樹」講師:山田創氏(滋賀県立美術館学芸員)。

 上土橋勇樹さん(自閉スペクトラム症、知的障害)は、2001年郡上市で生まれ、郡上特別支援学校高等部を卒業後、現在、滋賀県甲賀市の障害者支援施設「やまなみ工房」に所属し、アルファベット文字のカリグラフィーやグラフィックデザインが全国的に注目されているアーティストです。

 第一部で「やまなみ工房の施設長」山下完和氏より、障害者通所施設でアート作品がうまれる支援的環境、支援者の在り方、アート作品を社会に発信し、共に生きる社会をつくっていく取り組みについて、ご講演いただきました。

 第二部のシンポジウムでは、就学前の療育、保育園、小学校、特別支援学校でかかわった支援者と保護者が、上土橋勇樹さんの子育てから学んだことについて語りました。本人がやってみたいと思うことに支援者が寄り添いかかわっていくことの大切さに気づかされたこと、支援者とのかかわりのなかでうまれた作品を周囲の仲間や関係者に発信していくことで「つながる」きっかけを作っていった実践が発表されました。

 第三部では滋賀県立美術館学芸員山田創氏より、現在、勇樹さんがパソコンの複数のソフトを用いてうみだすグラフィックデザインの創作物の分析から、アーティストとしての勇樹さんの創作世界の解説をしていただきました。  

 予定の時間をオーバーしたため、 質疑応答の時間をとることができ なかったのが残念でしたが、終了 後のアンケートでは障害のある人 のありのままの良さ、魅力を理解 していくことの大切さに気づき、 考えさせられたという感想が多く 寄せられていました。今後の地域 における共生社会の実現に向けて、 参加者と学び合うことができました。

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