岐阜大学教育学部附属郷土博物館

 岐阜大学教育学部附属郷土博物館は,岐阜大学教育学部の前身校である岐阜県師範学校に設置された郷土研究室が始まりです。

 郷土研究室は,1930(昭和5)年に当時の文部省から全国の師範学校に配当された郷土研究施設費を用いて設置されました。郷土研究室には第一郷土室と第二郷土室があり,岐阜県の各地より出土した土器・石器類等の考古資料,動物・植物等の生物資料,岩石・化石などの地学資料のほか,工芸品や民芸品など多岐にわたる郷土資料が収集・展示されていたことが,昭和7(1932)年作成の『岐阜県師範学校郷土室目録』の緒言に記述されています。

 岐阜市加納にあった岐阜県師範学校は,1934(昭和9)年に岐阜市長良に移転し,戦後は岐阜大学学芸学部となりました。1955(昭和30)年の文部省告示により,郷土室は博物館相当施設に指定され,1964(昭和39)年には学芸学部教員や卒業生らの多額の寄付により,郷土博物館の名称で建物が建設されました。1966(昭和41)年に学芸学部は教育学部に名称を変更し,1983(昭和58)年には分散していた大学キャンパスの統合移転に伴い,教育学部は岐阜市柳戸地区へ移転し,郷土博物館も教育学部本館5階に移動しました。

 当館には,岐阜県師範学校時代に収集された岐阜県内出土の考古資料約2,000点,江戸時代に村役人を勤めていた家に残されていた文献資料約40,000点以上,その他,岐阜県師範学校および岐阜県女子師範学校に関係する記録資料が収蔵されています。これら人文系資料は図書館2階のアーカイブ・コア内で保管されています。また,2019年度に新設された植物標本庫には,植物腊葉標本約 8 万点 を保有しています。